将来の金利上昇に備える住宅ローン戦略
フラット35の金利引き下げを活かし「引き下げ終了時に選べる」状態をつくる
マイナス金利時代と比べ、固定・変動ともに住宅ローン金利はすでに上がってきています。今後もしばらく上昇方向を意識しつつも、どこまで・いつまで上がるかは断定できません。そこで当初5年間の最大▲1.0%など強力な金利引き下げを活かしてフラット35で借入し、引き下げ終了時点で「継続」か「借換え」かを選べる戦略を解説します。
現在の金利上昇の概要
マイナス金利時代と比べると、住宅ローン金利は固定金利・変動金利ともに上がってきているのが実情です。
今後も上昇方向を意識する局面ですが、上昇幅やタイミングは読みにくいため、重要なのは「金利を当てること」ではなく、金利が動いても家計が耐えられる設計にしておくことです。
そんな時こそ「フラット35」という選択
フラット35は、借入時に決まった金利が完済まで変わらない全期間固定型の住宅ローンです。
最大のメリットは、将来金利が上がっても返済額が増えないこと。
さらに、フラット35には住宅性能や家族構成などでポイントが加算され、当初の金利が下がる「金利引き下げ制度(ポイント制)」があります。
この制度を前提にすると、フラット35は単なる“安心”だけでなく、当初の負担を抑えつつ、将来の選択肢も残せる住宅ローンになります。
金利引き下げ制度の詳細(ポイント制)
フラット35の金利引き下げは、住宅の性能や家族構成などに応じてポイントが加算され、取得ポイント数に応じて当初一定期間、金利が引き下げられる仕組みです。
主なポイント対象の例
- 同居する子どもの人数(子育て世帯)
- 住宅の省エネルギー性能・耐震性能
- フラット35S等の性能基準への適合
- 維持管理計画の有無 など
条件が合う世帯では、
- 当初5年間:最大 年▲1.0%
- ポイント内容によっては、6年目以降も引き下げが継続
といった形で、非常に大きな利息軽減を受けられるケースがあります。
※ご自身の条件で何ポイント取得できるかは、住宅金融支援機構のフラット35ポイントシミュレーションで確認できます。
▶【フラット35】 金利引下げ内容確認【2025年4月1日以降資金受取分】
引き下げ終了時点で「借換え」を検討するという考え方
この戦略のポイントは、フラット35を「最初から最後まで固定で払い続ける前提」にしないことです。
引き下げ期間が終了するタイミングで、その時点の金利環境と家計状況を踏まえて、次の選択肢を判断します。
- 金利が高く今後も上昇見込み → フラット35を継続
- 金利が想定より上がらず今後は維持・下落見込み → 借換えを検討
判断は月々返済額だけでなく、借換時点の金利水準や今後の変動トレンドを踏まえて行うのがポイントです。
借換時の計算例(イメージ:根拠つき)
※借換え時点:残高3,000万円/残期間30年/元利均等返済
※フラット35(継続):SBI アルヒ「融資9割以上・35年以下」想定の2026年1月実行金利 2.19%で試算
※借換後(変動):将来の上昇も織り込み 1.6%で試算(一定と仮定)
※借換諸費用:60万円(事務手数料・登記等の合計想定)
- フラット35を継続(年2.19%)
月々:約113,757円/総支払額:約4,095万円 - 変動へ借換(年1.6%)+諸費用60万円
月々:約104,982円/総支払額:約3,779万円+60万円=約3,839万円
→ 差額:約256万円(総支払額ベース)
※上記は比較を分かりやすくするための概算です。実際は借換時点の金利、金融機関の手数料、団信条件、借換時点での金利情勢などで結果が変わります。
出典:住宅ローン金利一覧(SBI アルヒ)
まとめ
住宅ローン金利はすでに上昇局面にあり、今後もしばらく上昇方向を意識する状況です。
そこで、当初の強力な金利引き下げを活かしてフラット35で借入し、引き下げ終了時点で「継続」か「借換え」かを選べる状態をつくるのは、安心と柔軟性を両立しやすい現実的な戦略です。
もちろん家族構成や今後のライフイベント、家計の余力によっては、当初から変動金利が合うケースもあります。当店ではお客様の状況を伺ったうえで、固定・変動それぞれのメリット/注意点を整理し、ご家庭に合った住宅ローンプランをご提案いたします。
また、八戸市・近隣エリアで住宅購入や借換えをご検討の方は、家計状況に合わせて比較・試算します。
Q&A
Q1. フラット35は一度借りたら最後まで固定で払い続ける必要がありますか?
A. いいえ。引き下げ期間終了時など、タイミングを見て借換えを検討することも可能です。
Q2. 金利引き下げ(ポイント制)は誰でも使えますか?
A. 世帯条件や住宅性能などの要件があります。ポイント数によって引き下げ幅・期間が変わります。
Q3. 借換えは金利差が何%あれば有利ですか?
A. 金利差だけでなく、残高・残期間・諸費用を含めて総支払額で判断する必要があります。
Q4. 借換え試算はどんな資料があればできますか?
A. 借入残高、残期間、現在の金利、返済予定表、希望する借換先の条件(手数料・団信)などがあると精度が上がります。
関連リンク
▶金利上昇時代の住宅ローン選び|固定・変動はどう判断する?FPが解説
この記事を書いた人
佐々木 大地(宅地建物取引士・AFP〈日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー〉・住宅ローンアドバイザー)
青森県八戸市を拠点に、不動産売買・相続相談をサポートしています。
宅建士・FP資格を活かし、住宅購入・売却に伴う家計診断やキャッシュフローシミュレーションまでトータルでご提案。
地域密着の視点から、初めての不動産取引でも安心してご相談いただけるパートナーを目指しています。







