人生の三大支出「教育費」―大学進学にいくら必要?
人生の三大支出といわれる「住宅取得資金」「子どもの教育費」「老後資金」。
ライフプランニングの相談を受け将来のキャッシュフローを作成すると、ほとんどのお客様がお子様の大学時に年間収支がマイナスとなり、残高までマイナスに転じるケースも少なくありません。
一方、令和6年度の文部科学省「学校基本調査」によると、大学・短大・専門学校など高等教育機関への進学率は87.3%と、過去最高を記録しています。
以上の事から、お子様の高校卒業後にかかる教育費はライフプラン作成上、避けては通れないものとなっております。
今回はお子様が大学進学時の教育費についていくらかかるかをご説明いたします。
大学の種類別に見る学費の目安(国公立・私立・医歯系)
大学種別 | 年間授業料等 |
---|---|
国公立大学 | 約54万円 |
私立文系(平均) | 約97万円 |
私立理系(平均) | 約130万円 |
私立医科歯科(平均) | 約374万円 |
※初年度には入学金(国立大学:約28万円、公立大学:地域内入学の場合約28万円、私立大学文系理系:約23万円)が掛かります。
出典
▶国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
▶私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
所得制限などの要件を満たす場合には給付奨学金や授業料等減免制度といった「高等教育の就学新支援制度」があり、2025年からは多子世帯(扶養する子供が3人以上の世帯)に対する大学無償化制度があります。
出典:▶高等教育の修学支援新制度
一人暮らしをする大学生の生活費はいくら? 八戸市の家庭は特に要注意!
八戸市の場合、自宅通学可能な国公立大学がないことや、希望する学部が市内にないことから、多くのお子様が市外の大学へ進学し、一人暮らしを始めています。そこで一人暮らしをする大学生の生活費はいくらかかるのでしょう。
全国大学生活協同組合連合会が実施している学生生活実態調査において、2024年の1ヶ月あたりの生活費は131,710円との調査結果になっております。
この中にはアパートなどの家賃も含まれますので、東京などの家賃が高額なエリアに進学の場合はもっと高くなることも予想されます。
また、学生の生活費は物価高などを要因に年々増加傾向となっております。
大学進学にかかる費用の総額は? 国公立でも年間200万円超に
上記のことから、仮に国公立大学へ進学した場合でも、年間212万円の教育費が必要となります。
年間学費:54万円+年間生活費:158万円=212万円
私立大学などの場合は255万円(私立文系平均)~532万円(私立医科歯科平均)が必要となります。
足りない教育費をどう乗り切る? 教育ローン・奨学金・家計の工夫
お子様が生まれたタイミングから、将来、大学へ進学する場合を想定した教育費の準備が必要ですが、仮に18年間で1,000万円を積み立てるとすると、月々の積立額は約46,000円になり、学資保険加入や定期積立、NISAによる積立投信などをコツコツ行っても、多くの家庭にとって現実的には厳しい金額です。
大切なのは、「将来のどのタイミングで資金が不足するか」を把握し、そこに向けた備えを具体的に検討することです。
- 「国の教育ローン」でいくら借りて、毎年いくら返済するか?
- お子様がどのくらいアルバイトで補えるか?
- 奨学金をどのくらい借りるか?
これらの対策案を事前にキャッシュフローに組み込むことで、住宅取得資金や老後資金などを含めたライフプランを安心して設計する事が出来ます。
まとめ|よくある質問(Q&A形式)で整理
- Q. 大学進学にいくらかかるの?
- 自宅外通学の場合、生活費を含めて国公立でも平均年間212万円、私立だと学科により255〜532万円(学校によってはもっとかかる場合も)程度かかります。
- Q. 八戸市から進学する場合は?
- 自宅通学可能な大学が少なく、市外での一人暮らしになるケースが多いため、生活費の追加負担が発生します。
- Q. 教育費の備えはどうすれば?
- 毎月の積立や学資保険、奨学金・教育ローンの併用が現実的です。
- Q. 支援制度はある?
- 高等教育の修学支援新制度や多子世帯無償化制度などが利用できます。
上記のように、大学進学には学費だけでなく生活費や備え方まで多くの要素があります。特に八戸市のように自宅外通学が前提の地域では、早めのライフプラン作成が非常に重要です。
関連リンク
▶八戸市でマイホーム購入前にやるべき家計診断とは?【不動産FPが解説】
▶「家計を全部見せるのはちょっと…」という方でもOK!住宅ローン事前審査で簡易家計シミュレーション無料作成
教育費やライフプランに不安のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
この記事を書いた人
佐々木 大地(宅地建物取引士・AFP〈日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー〉・住宅ローンアドバイザー)
青森県八戸市を拠点に、不動産売買・相続相談をサポートしています。
宅建士・FP資格を活かし、住宅購入・売却に伴う家計診断やキャッシュフローシミュレーションまでトータルでご提案。
地域密着の視点から、初めての不動産取引でも安心してご相談いただけるパートナーを目指しています。