八戸市の住宅地価を徹底分析|2025年基準地価の上昇・下落エリア一覧
7月1日時点の基準地価が、2025年9月16日に公表されました。
全国では大都市圏の上昇が目立つ一方、地方では下落している地域も多くみられます。
本記事では八戸市の住宅地(市街化区域)に絞って最新データを整理した情報をご紹介いたします。
基準地価とは?
基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を評価し、9月に公表するものです。
全国の標準地(住宅地・商業地など)を対象に、不動産鑑定士が実際の取引事例や収益性を基に算定します。
地価公示(国が発表・1月1日時点)と並んで、土地の価格動向を把握する代表的な指標です。
出典:青森県庁「基準地価」
出典:国土交通省「不動産ライブラリ」
地価公示や基準地価といった指標は不動産業者にとっては大変重要なもので、物件を査定する際はこれらの指標を事例地として比較し、根拠に基づいた価格査定を行います。
八戸市住宅地の全体動向
平均価格は 35,419円/㎡(坪単価11.7万円)、前年比+0.6%の小幅上昇。
ただし八戸市内市街化区域住宅地31地点の内訳は「上昇11・横ばい9・下落11」で拮抗しており、一部の上昇地点が平均を押し上げた構図です。
地価上昇地の一覧と傾向
所在(番地省略) | 地価(円/㎡) | 対前年上昇率 |
---|---|---|
北白山台3丁目 | 43,500 | +6.10% |
売市3丁目 | 54,000 | +2.86% |
吹上3丁目 | 42,000 | +2.44% |
大字新井田字市子林 | 30,800 | +1.99% |
根城2丁目 | 54,000 | +1.50% |
類家1丁目 | 51,000 | +1.39% |
南類家1丁目 | 52,400 | +1.16% |
長苗代3丁目 | 45,000 | +1.12% |
類家5丁目 | 47,300 | +1.07% |
湊高台5丁目 | 43,700 | +0.92% |
青葉3丁目 | 53,000 | +0.76% |
※新井田字市子林は近年の宅地分譲の影響とみられる一時的上昇の可能性があります。
地価下落地の一覧と傾向
所在(番地省略) | 地価(円/㎡) | 対前年下落率 |
---|---|---|
大字鮫町字下盲久保 | 18,100 | -2.16% |
大字湊町字赤坂 | 30,600 | -1.61% |
大字新井田字常光田 | 29,800 | -1.32% |
大字長苗代字制札前 | 31,600 | -1.25% |
大字白銀町字雷 | 21,100 | -0.94% |
是川2丁目 | 21,900 | -0.90% |
大字大久保字下大久保 | 23,500 | -0.84% |
大字新井田字塩入 | 26,300 | -0.75% |
大字湊町字大沢 | 27,900 | -0.71% |
大字白銀町字小沼 | 29,800 | -0.67% |
大字田面木字上野道下タ | 30,500 | -0.33% |
分析のまとめ
- 中心部と郊外で二極化が顕著に
- 上昇:中心部に近い区画整理地(広道路幅員・下水道整備状況・整形地・利便施設近接)
- 下落:郊外の狭小道路・未整備要素が残る地点
- 車社会の八戸では、前面道路だけでなく周辺の道路ネットワークまで含めたアクセス性が価格に影響
- 長期的には人口減少で全体の下押し圧力が続く一方、計画的な街並みのエリアは相対的に下落が緩やか
Q&A
Q1. 駅やバスの利便性は価格に効きますか?
A. 八戸は自動車移動が前提のため、駅・バスは相対的に二次要因です。実需では街区の整備度(区画整理・広道路幅員・下水道整備)がより効きやすい傾向です。
Q2. 東部(湊・白銀・新井田・鮫)でも上がる場所はありますか?
A. 高台かつ区画整理の進んだエリア(例:湊高台)は堅調です。
Q3. 今後も上昇が続くのですか?
A. 人口減少が進む中で、市全体としては長期的に下落圧力が強いと考えられます。ただし区画整理地や利便性の高い住宅地では需要が底堅く、下落は緩やかになる可能性があります。
この記事を書いた人
佐々木 大地(宅地建物取引士・AFP〈日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー〉・住宅ローンアドバイザー)
青森県八戸市を拠点に、不動産売買・相続相談をサポートしています。
宅建士・FP資格を活かし、住宅購入・売却に伴う家計診断やキャッシュフローシミュレーションまでトータルでご提案。
地域密着の視点から、初めての不動産取引でも安心してご相談いただけるパートナーを目指しています。